


α-1,3-グルカン安息香酸エステル(GB)は、N,N-ジメチルアセトアミド/ LiClの中で多糖類の均一系誘導体化反応によって調製される。塩化ベンゾイル(ピリジンの有り無し)または安息香酸(カルボキシル基の原位置活性化にN,N′‐カルボニルジイミダゾール(CDI)が用いられる)を試薬とする。反応時間、そして試薬とアンヒドログルコースユニット(AGU)のモル比を調整することにより、最大置換度(DS)1.96を達成できる。FTIR及びNMR分光法によって、芳香族安息香酸エステル部分とのエステル化が裏付けられた。置換は主にC-6位置で行われ、反応する順番はC6»C2> C4である。新型GBは、DS≥0.5から双極性非プロトン性溶媒に溶解でき、DS≥1.7の場合、約190°Cの温度で溶解できる。



地球温暖化やプラスチック汚染による環境圧力が日増しに高まることから、バイオプラスチックはすでに大きな注目を集めている。そのうち、ポリ乳酸(PLA)はバイオベースで生分解性を持っているため、多くの使い捨て包装用品で広く使用されている。ジムの法則によると、PLAの世界的な需要は3〜4年ごとに倍になると予測される。
従来の石油を原料とするプラスチックと比べ、PLAはより高価であり、一般的な機械的及び物理的特性がやや少ない。D-乳酸とそのポリマーPDLAについての最新複合研究と商品化は、PLAの機械的及び熱的特性を向上させる可能性があり(例えば、ステレオコンプレックス型PLAを形成することによる)、ハイエンド市場で使用できる。しかし、他の分野におけるPLAの使用はまだ制限されている。ポリグリコール酸(PGA)はPLAと似たような構造を持ち、優れた生分解性やバリア性などの有望な特性を有している。これはPLAへの有用な補足となることだろう。PGAを利用してPLAの改質を行うには、共重合、物理的ブレンド法及び多層ラミネーション法がある。PGA及びPLAとの組み合わせは、生物医学の応用においてすでに広く研究されてきたが、やや高い生産コストがかかるため、大規模開発には至らない。このような背景で、新しい生産技術の開発と政府規制の発行は、バイオプラスチックへの世界的な移行のための重要な推進力になる。最近、既存のプラスチック使用を制限したり、生分解性プラスチックの活用を促進したりするなど、複数の政府規制が打ち出された。PGAは、革新的な生産技術を使用して産業廃ガスから抽出できるため、炭素排出量と生産コストを削減できる。生産技術及び複合技術の開発を通じて、PGAはPLAと合わせて使用することで、特に室温または自然環境で急速に分解する必要がある使い捨て製品のためにも、持続可能かつ環境にやさしいプラスチック産業で重要な役割を果たすことができる。