Advanced Industrial and Engineering Polymer Research
Open Access, CiteScore Tracker 2021=11.4
ISSN: 2542-5048
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OPEN ACCESS –RESEARCH ARTICLE
Volume 5, Issue 1 Pages 1-11
January 2022
ポリマー溶融体高速押出成形プロセスのMatlab®画像解析に基づく流れの可視化によるネックイン現象の判定と表面流速特性の定量化
Aarati Vagga, Swapnil Aherrao, Harshawardhan Pol, Vivek Borkar

本研究論文の主な目的は、Matlab®画像処理技術を用いて、ポリマー溶融体高速押出成形(EFC)プロセスにおけるネックイン現象と表面流速特性の検出と定量化を行うことである。フィルム押出成形は工業分野で重要な製造プロセスであり、工業的には数千キログラム単位以上のポリマーフィルム/シートおよびフィルム製品の生産に大規模に使用されている。本研究では、EFCプロセスにおけるネックイン現象を実験的に調べ、画像処理法を用いて長鎖分岐(LCB)などの高分子構造効果がネックインの程度に及ぼす影響を測定した。この方法の根拠として、本研究では商用CCDカメラを用いてEFCプロセスの特定のターゲット領域から画像フレームシーケンスを撮影し、解析を行った。その後、Matlab®に基づく画像処理ツールボックスを使用して画像シーケンスを解析し、ここでは、ポリマー溶融体の押出によるフィルムのエッジを決定するために書き込まれたカスタムアルゴリズムを実行し、ネックイン現象を定量化した。ネックイン現象を定量化すると同時に、Matlab®ソフトウェアを用いて粒子追跡法(PTV)を採用し、溶融体の押出によるフィルムの中心線と横方向の速度特性を測定した。本研究では、画像処理技術が溶融体の押出によるフィルムのネックイン現象と関連する速度特性を定量化するための貴重な知見を提供することを示している。

https://doi.org/10.1016/j.aiepr.2021.02.003
OPEN ACCESS –RESEARCH ARTICLE
Volume 5, Issue 1 Pages 12-17
January 2022
廃タイヤゴム粉に充填された低密度ポリエチレン:粒径の影響
Lóránt Kiss, Dániel Ábel Simon, Roland Petrény, Dávid Kocsis, Tamás Bárány, László Mészáros

本研究では、ウォータージェット加工による平均粒径数十μmの超微細廃タイヤゴム粉(uGTR)の付加価値リサイクルの可能性を検討した。筆者たちの目標は、低密度ポリエチレン(LDPE)と混合して調製されたuGTRと従来の微細廃タイヤゴム粉(fGTR)の異なる含有量を有する混合物の性質を比較することである。粒径の影響で比表面積が大きくなるとどのような性質変化が起こるかについても検討したい。試料は内部混合後に静水圧プレス機で調製される。廃タイヤゴム粉末(GTR)に充填された混合物について、その引張特性はゴムに類似する。つまり、弾性率が著しく減少すると、切断時伸びは高いレベルに維持され、引張強度はわずかに低下する。試料の破断面を走査型電子顕微鏡(SEM)で分析したところ、uGTRで作製した材料がより良好な相間接着を示した。GTRLDPE間の界面接着を調べるために、動的機械的熱分析(DMTA)を行った。uGTRのガラス転移点はより高い温度に転移し、貯蔵弾性率はfGTRを含む試料の場合より高かった。最後に、材料のショアD硬さを測定したところ、GTRの含有量が高くなるにつれて低下するが、硬さはuGTRよりも高くなる。uGTRを含む混合物の力学的性質が高いのは、その比表面積がfGTRより明らかに高いためであり、そのために2相間の界面接着がより良好である。

https://doi.org/10.1016/j.aiepr.2021.07.001
OPEN ACCESS –RESEARCH ARTICLE
Volume 5, Issue 1 Pages 18-25
January 2022
還元型酸化グラフェンの表面に固定されたパラジウムナノ粒子/ポリジフェニルアミンを用いたネットワーク構造を有するナノコンポジットの制作:メタノール酸化のための高効率アノード電極触媒
Suba Lakshmi Madaswamy, N.Veni Keertheeswari, Asma A.Alothman, Murefah mana AL-Anazy, Khadraa N.Alqahtani, Saikh M.Wabaidur, Ragupathy Dhanusuraman

直接メタノール形燃料電池(DMFC)は、電力・燃料分野における重要な課題である。本研究では、ポリジフェニルアミンに固定化されたパラジウムナノ粒子と、ネットワーク構造を有する還元型酸化グラフェン(rGO/PDPA/Pd)ナノハイブリッド材料との新しい組合物であって、in situ化学反応法によって合成されたものについて説明する。塩基性媒体内で行われるメタノール酸化反応(MOR)において、rGO/PDPA/Pd電極触媒は優れた電気触媒活性、低い酸化電位(-0.1 V)、高い電流密度(2.85 mA/cm2)、優れたサイクル安定性(94%)および長い使用寿命(1200秒)を示した。注意すべきことは、rGO/PDPA/Pd電極触媒は、Pd/C電極触媒と比較して、正の酸化ピーク電位が負の方向に110 mV移動していることである。これらの結果は、rGO/PDPA/Pd電極触媒がDMFCの有効なアノード触媒として認識されていることを示している。

https://doi.org/10.1016/j.aiepr.2021.10.001
OPEN ACCESS –RESEARCH ARTICLE
Volume 5, Issue 1 Pages 26-32
January 2022
セルロースに基づく新規な両性高分子電解質の合成および構造特性解析
Annett Pfeifer, Agnes Kemmer, Thomas Heinze

スルホベタイン重合体は、トルエンスルホン酸セルロースを出発原料とし、新規アミノ化セルロース類似の重合反応により合成される。出発組成物として異なるアミノ化セルロースを得るために、一連の非対称および対称N-アルキル化ジアミンの総合的な研究を行った。対称ジアミンとの反応では、第一級アミノ部分の反応が最も効果的であることが示された。このようにして得られた誘導体は、中性の主構造単位と、いままで報告されていないカチオン側構造単位とを含む。アミノ化セルロースの反応性を研究するために、1,3-プロパンスルトンの変換による新しい両性高分子電解質を設計するために使用される統一的な出発原料として、6-デオキシ-6-N,N,N',N'-テトラメチルエチレンジアミン)セルロースを用いた。詳細な構造特性解析は、1次元および2次元NMR法を用いて行った。

https://doi.org/10.1016/j.aiepr.2021.06.001
OPEN ACCESS –REVIEW ARTICLE
Volume 5, Issue 1 Pages 33-45
January 2022
特殊エラストマーに基づく潜在的ニューマチックストラクチュアおよび用途の概要
Neeraj Mandlekar, Mangala Joshi, Bhupendra Singh Butola

人々の知識欲の高まりに伴い、ニューマチックストラクチュアとニューマチックシステムの分野で多くの研究が展開されている。これらのニューマチックストラクチュアは、民間・軍事用の緊急用ニューマチックシェルター、工業用燃料・天然ガス貯蔵タンク、救命いかだ、救命ボートなどの製造と生産に大きなメリットを持つ。さらに、LTAシステムに基づく軽い船体構造体やレーダー用ニューマチックドームなど、防衛分野ではより高度な膨張装置が採用されている。ニューマチックストラクチュアの利点は、優れた機械的強度、軽量性、耐久性およびより小さい収容容積である。この特殊エラストマーは、耐候性、耐紫外線性、耐オゾン性、老化および酸化に対する安定性に優れているため、ニューマチックストラクチュアの開発において重要な役割を果たしている。また、ガスおよび蒸気に対する遮断性にも優れている。本総説では、本研究で選択した特殊エラストマーの構造と性質を最初に述べ、その後、高分子材料に基づくガス輸送構造を説明した。最後の部分では工業、国防と海上の応用に使用される各ニューマチックシステムの発展状況を重点的に紹介し、特にニューマチックデバイスの国防分野における高度応用に注目した。全体の総説研究では、ニューマチックシステムにおける特殊エラストマーの応用に関する各種の文献資料と発表された研究について概説した。本研究では主に特殊エラストマーの構造、性質とニューマチックストラクチュアの発展における応用を強調した。

https://doi.org/10.1016/j.aiepr.2021.05.004