Advanced Industrial and Engineering Polymer Research
Open Access, CiteScore Tracker 2021=11.4
ISSN: 2542-5048
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OPEN ACCESS –REVIEW ARTICLE
Volume 4, Issue 3 Pages 133-150
July 2021
重合物の化学再生
Manas Chanda

重合物再生は、不良廃棄物の減少や廃棄物埋立処分、経済的価値のあるモノマー又はその他の材料の回収のための優れた方法であるため、我々は、第三再生方法(化学再生)について、総合的に述べた。そして、それぞれのケースにおいて、特定のリサイクル経路と潜在的な適用性の化学的根拠に特に注意を払って、厳密に検討した。広く使用されている各重合物商品(ポリエステル、ポリアミド、ポリウレタン、エポキシ樹脂、ポリ塩化ビニル、ポリカーボネート、およびポリオレフィン)のリサイクル問題について個別に議論され、酵素分解、イオン液体仲介、マイクロ波照射、および超臨界液体と超流動体中での処理など、潜在性の高い従来の方法および慣例に従わない方法に注目した。また、アルカンクロスメタセシス(CAM)、タンデム水素化分解/芳香族化、Vitrimer基の再生および動的共有結合など、現在広く研究されている新しい方法についても重点的に述べた。

https://doi.org/10.1016/j.aiepr.2021.06.002
OPEN ACCESS –REVIEW ARTICLE
Volume 4, Issue 3 Pages 151-158
July 2021
酵素触媒再生および合成ポリマーの生分解に関する最新研究
Lilia S. Lens-Pechakova

消費後のプラスチック廃棄物の量は環境や人の健康を脅かすレベルに達しており、その管理が今、大きな課題となっている。プラスチックの生分解とバイオリサイクルは、従来のプラスチック廃棄物の新たな再生方法である。この総説では、酵素によって合成された重合物のバイオリサイクルと生分解に関する最新の研究を記述した。最近産業技術として発展した特殊な設計を用いた酵素であるPET解重合酵素を用いた、ポリエチレンテレフタレートの酵素触媒分解の最も成功した事例に焦点を当てて述べた。また温和な条件下でプラスチックを制御可能に完全分解する可能性のある各酵素に関する有望な研究結果を述べた。この総説では、プラスチックの生分解を弱める重合物の性質、酵素の選択性、活性および熱安定性を向上させるタンパク質工学的設計方法についても述べた。これらの研究は、重合物化学、微生物学、突然変異誘発機序、タンパク質工学およびプロセス工学など、多くの専門分野に関連している。これらの革新的な学際的知識を活用することで、環境廃棄物の管理に新たな視点を提供し、継続可能な循環型経済を実現することができる。

https://doi.org/10.1016/j.aiepr.2021.06.005
OPEN ACCESS –REVIEW ARTICLE
Volume 4, Issue 3 Pages 159-177
July 2021
バイオプラスチック廃棄物の再生:総説
Giulia Fredi, Andrea Dorigato

従来のプラスチックを、バイオプラスチック、すなわち生物方式で獲得した、および/または生分解可能なプラスチックで置き換えることは、エネルギーの枯渇とプラスチック廃棄物の蓄積という問題を解決できるとは限らない。継続可能な本格のプラスチック経済を実現するためには、バイオプラスチックの生産が拡大する中で、すべてのバイオプラスチックにとって生分解性にかかわらず、バイオプラスチック廃棄物の効果的な終末処理戦略が必要である。バイオポリエチレンテレフタレート(bioPET)、バイオポリエチレン(bioPE)、バイオポリプロピレン(bioPP)など、バイオベースの非生分解性バイオマスプラスチック再生の重要性はもはや疑問の余地はないが、しかし、生分解性バイオプラスチックについては、生分解性が唯一の受け入れ可能な終末処理プログラムとみなされることが多いため、先行きは不透明である。しかしながら、生分解性は通常、プラスチック製品のライフサイクルの中で再導入するためにプラスチック材料またはモノマーを回収することを目的としたものではないが、これは、廃棄物管理と主要資源保護の両方を伴う機械的および化学的再生などの他の種類の再生プログラムの明確な目標である。バイオプラスチックの生産規模が拡大しており、今後数十年にわたって従来のプラスチックと共存することになるため、最も一般的に使用されているバイオプラスチックそれぞれの終末処理に最適な方法を見つけることが極めて重要である。

https://doi.org/10.1016/j.aiepr.2021.06.006
OPEN ACCESS –RESEARCH ARTICLE
Volume 4, Issue 3 Pages 178-186
July 2021
再生PET発泡:リアルタイムな品質モニタリングを用いた超臨界二酸化炭素による補助的な押出
Katalin Bocz, Ferenc Ronkay, Béla Molnár, Dániel Vadas, Martin Gyürkés, Dániel Gere, György Marosi, Tibor Czigany

再生ポリエチレンテレフタレート(rPET)の発泡は、超臨界二酸化炭素(sc-CO2)により補助的に押出されたものである。rPETの固有粘度(IV)を0.62dl/gから0.87dl/gに向上させたエポキシ機能化鎖延長剤を使用することにより、気泡の安定化に十分なレオロジー特性が得られ、それにより、0.15g/cm3未満の見掛け密度を達成することが可能となる。それぞれ示差走査熱量測定法(DSC)と走査電子顕微鏡法(SEM)を用いて、均質とタルクによる不均質結晶とセルの核形成、その後のセルの成長と安定化過程について考察した。タルクを用いると結晶化温度が上昇し、気泡のサイズ分布が小さくなることが分かった。発泡rPET試料の見掛け密度とフーリエ変換近赤外(NIR)スペクトルとの間に強い関係性があり、迅速かつ非破壊的な特性分析が可能であることを示した。その結果、NIR分光法は再生PET押出発泡過程において、特に品質変動が発生した場合に最適なライン内品質モニタリング法であることが明らかになった。

https://doi.org/10.1016/j.aiepr.2021.03.002
OPEN ACCESS –REVIEW ARTICLE
Volume 4, Issue 3 Pages 187-198
July 2021
ミクロフィブリル化複合材料の概念に基づく新規プラスチック再生方法
Stoyko Fakirov

現在見られているプラスチック廃棄物の環境影響の劇的な状況は、このような材料の内在的な特性と関連しており、プラスチックが廃棄物やゴミに転化した後も、その性質は本質的に変化しない。このようなプラスチックの特性は問題の一部を解決するのに役立つかもしれない。つまり再生によってプラスチック廃棄物を価値のある材料に変えることで、プラスチックごみの量を減らすことができる。2種類の非相溶性重合物の混合物は溶融混合、押出、冷間延伸、更にプレス成形あるいは射出成形を行い、重合物複合材料の生産に用いる時、ミクロフィブリル化複合材料(MFC)の概念に関わる。これは可能な重合物再生技術である。コカ・コーラのボトルのPETと低密度ポリエチレンを原料として、冷間延伸法により製造されたMFCは優れた機械的特性を有する。再生は環境に悪影響を及ぼすプラスチックの問題を解決するものではなく、逆にその解決を遅らせるだけであることを強調しておきたい。なぜなら、再生プラスチックは寿命末期になると再び廃棄物やゴミに転化するからである。

https://doi.org/10.1016/j.aiepr.2021.02.001
OPEN ACCESS –REVIEW ARTICLE
Volume 4, Issue 3 Pages 199-208
July 2021
医療用プラスチックの再生
Blessy Joseph, Jemy James, Nandakumar Kalarikkal, Sabu Thomas

世界中の医療施設から大量の非感染性プラスチック廃棄物が発生する。ただし、その中で再生されるのはごく一部である。従来、廃プラスチックは埋立地に送られて処分されたり、不十分に焼却されたりしていた。このような慣行は、環境に悪影響を及ぼす可能性がある。高い汎用性のため、プラスチックは医療業界に欠かせない存在となっている。新型コロナウイルスによる肺炎の流行は、使い捨てプラスチック製品の需要が高まっていることを明確に示している。そのため、現時点でプラスチックの使用を完全に避けることはハードルが高いかもしれない。プラスチック再生は、間違いなくプラスチック汚染の危機を解決する1つの解決策である。医療用プラスチックの再生は、主に分別や洗浄が困難であるため、限界がある。医療用プラスチック廃棄物の再生は、医療業界と再生業界との適切な調整によってのみ可能である。新しい再生技術は継続可能な方法で活用されることが重要である。また、医療用途で使用されるプラスチックは再生可能な方式で設計されなければならない。この総説では主に医療廃棄物の弊害だけでなく、常用医療用プラスチックの再生潜在力を論述した。

https://doi.org/10.1016/j.aiepr.2021.06.003
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